A.近視はご両親のうちどちらかに近視があると遺伝すると言われています。それ以外には近くを見る作業が多いなどの環境因子にも影響を受けます。現在の医学では完全に近視の進行を止める方法はありませんが、進行を遅くする方法はいろいろと研究されている段階です。
最近、日光に含まれる紫色の光を浴びることが近視の進行を抑制する効果があると報告されました。窓越しではこの紫色の光はカットされてしまうので、屋外で過ごす時間をとることが必要だということです。毎日2時間程度の屋外で日光を浴びての活動が推奨されています。
もう1つの方法はオルソケラトロジー。夜角膜矯正用のコンタクトレンズを付けて寝ることで日中裸眼でよく見えるようにする方法です。近視の進行を抑えることもありますが、近視自体を矯正し、裸眼視力を向上させることができます。詳しくは当ホームページのオルソケラトロジーのページをご参照下さい。
また低濃度アトロピン点眼も近視の進行を遅らせる効果がオルソケラトロジーと同程度見られることがわかりました。現在国内で生産されている低濃度アトロピン点眼剤はないため、海外からの輸入になります(マイオピン)。当院ではマイオピンを扱っております。
大人も子供も、日常生活では近くの作業を長時間続けないようにし、作業の合間に遠くを見たり、休憩を入れることが必要です。
いずれの方法も完全に近視の進行を止めることはできませんが、遅らせることは可能です。なるべく強度近視にならないよう、予防していくことがQOLという点で大切になります。