当院の小児眼科
お子さまの健やかな成長を見守ります
治療だけでなく病気の早期発見も重視して、お子さまの「見える」環境を整えてまいります。また、地域のかかりつけ医として、目に関することだけでなく、お子さまの健やかな成長を大切に見守ります。保護者の方にも病状を詳しく説明することで、安心してお子さまの家での治療に取り組めるよう心がけています。保護者の方と同じ目線でお子さまを見守り、1つ1つの成長を一緒に喜んでいきたいと思っております。
0歳からの視力検査
子どもは視力の調節力が強いため、検査時に普段より近視を強く出してくる場合があります。また、集中力が持続せず、正確に測定できない場合もあります。
当院では、経験豊富な視能訓練士や検査スタッフが検査を担当して、目の特性や集中力に応じて柔軟に対応し、正確な視力や状態の把握に努めております。検査は0歳から対応しておりますので、斜視や弱視の早期発見・早期治療の可能性が高まります。
お子さまは検査の場所や雰囲気に慣れることで本来の実力を発揮してくれます。根気よく、何回にも分けて検査を勧めていくことが必要です。お子さま一人一人のペースを大事にしていきます。
近視
近視とは?
近視とは、遠くがぼやけて近くはよく見える状態です。
最近は近視が以前より低年齢で出てくるようになりました。裸眼視力が低下し、遠くが見えなくて困る場合(特に学童は黒板が見えにくい、教室の掲示物が見えにくいなど)は眼鏡を装用します。
近視は年齢とともに進むことが多く、止める方法がないのが現状です。
弱視
弱視とは
弱視とは、目に異常はないものの、矯正視力が出にくい(眼鏡をかけても見えにくい)状態のことです。
視覚の発達する時期(0歳~8歳頃)に、何らかの要因によって発達が妨げられることで発症します。そのため、お子さまが幼いうちから、保護者の方が視力検査を受けさせてあげることで、弱視の早期発見や進行防止につなげることができます。
- 不同視弱視
左右の度がかなり違うことが原因で、片目だけ弱視になりもう片方の目は視力が良い状態です。片目だけ遠視や乱視が強い場合、視力の良い反対のほうの目ばかりを使ってしまうことがあります。このため弱い方の目は成長が遅くなり、弱視となります。
- 斜視弱視
斜視が原因で起こる弱視です。斜視になりやすいほうの目を使わなくなるため、視力が発達しなくなります。
- 屈折性弱視
強い遠視や乱視などが原因で起こる弱視です。ピントが合わない状態が続くことで、視力が成長せず、両目に視力障害が生じます。
- 形態覚遮断弱視
眼帯の装着や、先天白内障などが原因で起こる弱視です。隠された方の目の視力の成長が阻害されます。
斜視
斜視とは
斜視とは、ものを見るときに、片目だけ違う方向を向く状態のことです。斜視になる原因はまだはっきりと分かっていません。片方の目だけが悪くて斜視になるわけではなく、両目の向いている方向の関係なので、斜視になる目がある時は右目、別の時は左目というように交代することがあります。
主な斜視の種類
内斜視
片目だけ内側を向いている状態です。 遠視が原因で起こる場合(調節性内斜視という)もあります。
外斜視
片目だけ外側を向いている状態です。常に外斜視になっている恒常性外斜視と、両目とも通常は正面を向いていますが時々外斜視が出る間欠性外斜視があります。
上下斜視
片眼が上もしくは下を向く斜視で、上斜筋麻痺、下斜筋過動などがあります。
検査
視力検査
正確な視力を測定するため、お子さまの集中力などに配慮しながら、複数回の検査を実施します。調節麻痺剤(瞳孔を開かせて、調節機能を働かせないようにする)を使用しての視力測定、遠方視力と近方視力の測定など、検査方法を使い分けて、状態を的確に把握します。特に内斜視の場合は遠視の有無、その程度を把握することが大切です。
調節麻痺剤には、数時間で元の瞳孔の大きさに戻るもの、2日ほどかかるもの、ご自宅で5日~1週間点眼してから来院して検査するものなど種類があり、お子さまの年齢、病気の種類に応じて使用する薬を変えます。
シノプト(大型弱視鏡)
斜視の角度の詳しい測定や、両眼視機能(左右の目にそれぞれ映った像をどの程度1つに合わせて見ることができるか、両目を同時に使ってどの程度立体的に見ているか)の測定をします。両眼視機能が発達してくれば斜視の予後も良くなります。斜視の手術が適応あるか判断する際には必要な検査です。
目の一般検査
斜視や弱視が目の中の病気で起こっていないか、眼底を含め目自体の検査をします。
弱視
眼鏡
眼鏡を治療として常用します。調節麻痺剤の点眼を使用して、正確な視力検査に基づき、最適な眼鏡を処方します。年齢とともに眼鏡の度も変える必要があります。
治療として眼鏡をかけますので、朝起床時から夜寝るまで、常にかけておくことが必要です。
アイパッチ
片目だけ視力が悪い場合、視力が良いほうの目にアイパッチを装着して、視力の悪い方の目で見る訓練です。
斜視
眼鏡
近視・遠視・乱視を伴う場合は、眼鏡を処方します。 特に調節性内斜視(部分調節性内斜視)は、遠視の程度を正確に把握することが大切で、このためアトロピンという調節麻痺剤をご自宅で1週間ほど点眼してから再度検査することが多いです。
眼鏡をかけることで目の位置が良くなることがあります。
手術
眼球の周りにある筋肉の位置を移動させて筋肉のバランスを調整し、視線を矯正します。手術が必要な患者さまには、連携医療機関をご紹介いたします。
その他の治療
近視には、眼鏡やコンタクトを処方します。
コンタクトは、当院では原則として中学生以上を主に対象に処方しておりますが、スポーツ時の使用などの強い希望がある場合は、保護者の方と話し合ったうえで、小学校高学年頃から装用を許可することがあります。