近視進行抑制について
以前より日本人は近視の人口が多いとされてきましたが、コロナ禍で世界的に子どもの近視が増加していることが報告されています。
近視になる原因としては遺伝によるものが多いですが、タブレット、スマホ、ゲーム、読書等、近距離での作業(近業)が長時間になることでも近視が増加することがわかっています。また太陽光の中に近視の進行を抑える波長があるのですが、コロナ禍で外遊びが減り、オンライン授業などで近業が増えたことで、その前より近視の小児が増加したと言われています。
近視は眼の奥行(眼軸)が長くなることで増加します。体の成長とともに眼軸は伸びますが、近視のある子どもは、近視のない子どもより眼軸が長くなるスピードが速く、このためさらに近視が進行します。
近視が強度になると、大人になってから近視性の黄斑の疾患、緑内障、網膜剥離等の病気を発症しやすくなり、失明につながることもあるため、子どものうちから近視の進行をなるべく抑制し、将来強度近視になることを予防するということが大事になってきます。
そのためには、上述のように太陽光の恩恵を受けるため、1日1~2時間の屋外活動が推奨され、近業を長時間続けず休憩を入れることが必要になってきます。
しかし、それだけれは完全に防げません。今の時代近業が長くなることは避けられないため、オルソケラトロジー(ナイトコンタクト)、低濃度アトロピン点眼(マイオピン)、多焦点ソフトコンタクトレンズにより、眼軸が長くなるスピードを遅くする治療が行われるようになりました。